時は前後するが、前回の婚姻届提出の前段階の話。
タイ人と日本人が結婚する場合、どちらの国で先に結婚の手続きをするかは本人が決めればよい。
我々は日本の役場で婚姻届を提出し、それからタイで『日本で結婚しました』という手続きをすることにした。
なのでタイで用意した書類のほとんどを翻訳業者に英訳と外務省の承認印をもらうところまでを委託した。
それはオットが1人で動いたことなので正確にいくらかかったのかはわからないのだけど、日本円にるすと1万円以上だと思う。
前回の記事のとおりオットは書類の数が多いので、それに比例して料金が上がるはず。
外務省の承認印をもらうために直接個人で動くこともできるのだけど、外務省には外務省の流儀などもあるだろうから個人で手続きに行くのはちょっと危険。用意した書類のちょっとしたことにイチャモンを付けて出直させることもあるだろうし、対応する係員によって言うことが違うかもしれない。そうなったら素人の個人にはどうすることもできないので、そこまでの作業を翻訳業者に頼んだ。
そうやって時間とお金をかけて揃えた書類を、次は日本語に翻訳する。
日本語訳については業者のものである必要はなく、個人でおこなって構わない。(あくまでも、私がお世話になった日本の役場の場合。)
なのでチェンマイに住んでいるオットの友達の日本人にお願いすることにした。
私は手書き程度の書面で内容がわかればいいのではないかと思っていたのだけど、その人はWordを使ってタイの役場がプリントしてくれた書式に似せて作ってくれるという。
そこでぶつかったのが『手書きの壁』。
タイの役場もデジタル化が進んでいるのだけど、物によっては昔の手書きの書類をコピーして渡してくれるものがある。
タイ人にも字の上手い・下手があるようだし、クセ字もある。そういう個人の直筆の文字を日本人が読むのは結構な労力で、請け負ってくれた人がギブアップしたものがあったので、書類の何枚かは私が英訳文を見ながら日本語訳にすることになってしまった。その頃は私も仕事が忙しい時期で、ただでさえ時間が足りないという日々だったのだけど、それに加えて書類の和訳。結局は睡眠時間を削るしかない。
既にオットが日本に来るための航空券は予約済みだったし、日本語の書類を作ってくれる人も忙しい人なので、私が遅れの原因になるわけにはいかなかった。
そんな中でもタイの翻訳会社の英訳文の凡ミスを見つけてしまったり、タイの婚姻や改姓のシステムがなんとなく理解できたり、決して必要ではないけれど、知っておいて損はないことを知ることができた。
そんな何日間を過ごしたのちにきれいな書類が出来上がり、そのときにちょうどチェンマイから日本に戻って来る知り合いがいたのでその人に書類を託して、日本に到着後、郵便で私に送ってもらうことになった。タイから書留郵便で日本に送ることもできるが、きちんと届くかわからない。日本語訳の書類はともかくとして、外務省のスタンプが捺してある書類は失くすわけにはいかないのだ。もしも紛失してしまって再発行の依頼をしたとしても、小市民にはそれが許可されるかわからないのだから。
左側に貼りつけてあるのが大事な大事な承認印
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かくして私は無事に必要書類を受け取って、オットが日本に来るのを待つことになった。
そして揃えた書類に不備や不足はないかを確認するためにタイから届いたものを持って役場の窓口に出向いた。追加する書類があれば、まだオットがチェンマイにいるので取り寄せることはできる。
日本人どうしでも書類の不備があったがために出直す人がいるけれど、我々にはそれがあってはならない。なのでこの頃がいちばん緊張していた。
- ユル~く続く -