チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

閉店したから終了

先日、とある設備工事のお店が閉店したというお知らせのハガキが実家に届いた。
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このお店はトイレリフォームとガスコンロの交換をお願いした店舗で、何年か前に母が直接店舗を訪れてそこから付き合いが始まった。
実家はトイレが1階と2階にあり、設置から30年くらい経っていたのでそれなりに劣化していて、暖房便座がガタついていたので電源を入れるのも危ないしトイレの使用後に使う水の量も多かったので、全体的に新しくしてしまおう!ということで母が商店街の設備工事店に飛び込みセールスならぬ飛び込み相談をして工事をお願いした。

2階のトイレは使用頻度が低かったので傷みも少なく、ひとまず1階のトイレだけリフォームしてから考えようということになり、1階のトイレは壁も床も天井もクロスを張り替えるフルリフォームに。
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私自身はモノを作ったり直したりする仕事をしているのでリフォーム作業もとても興味があり、たびたび現場を覗いてみた。
そのとき、職人さんが発した『ぁ…』という小さな声を偶然聞いてしまった。
直前に工具か何かを落とした音がしたのでそれと関係があるはず・・・。


数時間後に作業は終わり、ヨリミチ実家の1階のトイレは生まれ変わった。
便器もクロスも新しくなってピカピカ。
なのだけど、床の一部分にカギ形の傷が・・・。そのときは全体が新品だし使用による汚れもない状態なので目を凝らさないとわからない程度のものだったけれど、そこには確実に汚れが溜まることが予想できた。
でもそれを母に言ったところで『そんなのはたいしたことじゃないわ』と言われるだろうし、母の視力では気にならないくらいの傷だったので私はその傷について言及しなかった。
お金を払うのは親だし、それなのに私が床の傷のことをネチネチ言ったら『あなたが気にしすぎ!』で強制終了させられてしまうことは目に見えていたので。

形のある物はいつかは壊れるというのは私も分かっているし、生活の中でそういう事実をたびたび受け入れているけれど、この床の傷はちょっと早すぎでしょ・・・と思ったのだけど、母に言わせれば『いつかは傷が付くことの「いつか」が早く来ただけ』ということだろう。
だけど『モノを作る仕事』をしている私は納める時点で傷があるというところに過剰に反応してしまったのかもしれない。
納める品物が既に傷物というのは許されることではないけれど、私の性格なら『いずれ傷は付くのですからいいですよ』ということのほうが多いと思う。(もちろん程度にもよるが。)

私がモノを作る仕事をしていなければその傷を『いいですよ~』で済ませたと思うのだけど、自分も作業をしてお金をいただくという仕事をしているのでその小さな傷が余計に気になったのかもしれない。
しかも職人さんの『ぁ…』を聞いてしまったのでその傷を認識した上で『工事完了』と言っているのを知っている。
『ぁ…』がなく、職人さんの気付かないうちに発生した傷なら仕方ないと思う。だけど『ぁ…』が聞こえてしまったし職人さんの動きが数秒間止まったのも目撃してしまったからやはり職人さんもその傷を認識していたのだろう。


そんな出来事をこの数年間忘れることができず悶々としていたのだけど、お店の営業が終了だということは私のモヤモヤの矛先を向ける対象物がなくなるということ。

閉店のお知らせを見たら、なんだか心にあった霧が晴れてきた。
床の傷は消えることはないけれど、それよりも私は職人さんの『このくらいいいか』という精神に怒りを感じていたようだ。

もう、悶々とするのは終了~。

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