チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

ややこしい話

以前からオットが意味を知りたがっていた日本語『ややこしい』。
他にも『結局』『ところで』『是非(是非とも)』とか『なんとなく』などの使い方を今までオットから何度も訊かれて何度も説明してきたけど、『ややこしい』だけは説明を避けてきた。
そもそもタイ語は語彙が少ない言語だという特徴がある(ように感じている)のだけど日本語はオノマトペを含めて語彙が豊かというか、その量の問題だけではなくて、やはりタイ人と日本人の民族性の違いだとか生活習慣の違いがあるので説明も一筋縄ではいかない。

たとえば『良い天気』、日本では晴れていて日差しが降り注ぐ状態をだいたいの人が『良い天気だなぁ』と表現すると思うのだけど、タイではそこそこ雲があって暑くない状態のときを『良い天気』だと判断する。

なので『こういう状態のときに、こういう気持ちになるでしょ、』という前提条件を設定できない。
↑これが既に『ややこしい』ことになっている。

日泰辞典で『ややこしい』をひくと『ยุ่งยาก(難しい)』とか『ซับซ้อน(複雑な)』となる。だけど『難しい』や『複雑な』という言葉がそのまま『ややこしい』なのかというと、ちょっと違う。視覚的なことや状態の問題ではなくて感情的な意味が入ってくるようなものが『ややこしい』というのか、とにかく説明に困る。

なので『たとえばご夫婦がいて、その旦那さんには彼女がいるとします。そして奥さんにも彼氏がいるとします。そうしたら実は奥さんの彼氏は旦那さんの会社の部下で、旦那さんの彼女は自分の娘のお母さんの友達でした』のような例をあげた。それで一応は『わかった』と言ってくれたのだけど、本当にわかっているのかはわからない。あぁややこしい。

そして、説明だけではなくて例文が欲しいと言うオット。
なのでLINEでちょっと送ってみた。

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本当にこれでわかってくれたのかどうか。
ややこしい人間関係と言ってもタイには異母兄弟、異父兄弟というのはそこらじゅうにあることだし、オットのきょうだいを例にあげても長姉は母の連れ子なので異父姉弟であり、結婚・離婚の経緯があるからなのか旧姓(オットと同じ姓)で生活しており、その娘はタイによくある籍を入れない結婚をして旦那がマスオさん状態の生活をした数年後に離婚、姓はそのマスオさんのものだったのか、はたまた自分の父親のものだったのかわからないけれど母とは違う姓だった。それが数年前にある出来事があってそれが原因だと思うのだけどお坊さんに姓名を付けていただいて今はもとの名前とは全然違う氏名を名乗っている。(タイでは姓名変更はよくある話。)
2番目のお姉さんは若くして隣町の男性と結婚、娘と息子をもうけるも、今の旦那に略奪(?)され、息子を連れて再婚。娘はそれなりに大きくなっていたのか、それとも父親と一緒にいることを選んだのか、母とは別れた。しかし縁が切れたというわけではなく、娘が結婚して子供が生まれると、なぜか再婚相手の今の旦那も『僕には孫がいます』と言って喜んでいる。そして自分にも2番目のお姉さんとの間に娘がいる。
3番目のお姉さんは未婚でタイ人との間に娘を産み、その後しばらくしてから日本人と結婚。その日本人とどういうふうに知り合ったのかは聞いたことがないが、その結婚を機にお姉さんは日本に住み、永住ビザを取得。何年か前にその人と離婚しているが、お互いに復縁も考えているような気配を感じる。
オットのお兄さんはもう亡くなっているけれど、過去には結婚していて娘もいる。元妻は幼い娘を連れて南部の県に行き、そこで新たな家庭を築いた。しかし娘はずっと父の姓を名乗って生活し、そこそこの企業に就職した。お兄さんは最後は入退院を繰り返す生活だったのだけど、いよいよ危ないというときに2番目のお姉さんがお兄さん(お姉さんにとっては弟)の元妻に連絡をしたところ、さすがに元妻はお見舞いに行かなかったが娘は駆けつけてくれて、良い時間を過ごせたらしい。
オットは前妻との間に娘がいるが、結婚の書類を出したのは一緒に住むようになってから2年後くらいという中途半端な時期で、前妻は父の老後の面倒を見るということが決まっていたのか、オットは前妻の姓に変更するだけでなく、義父との養子縁組(のようなこと=タイと日本では条件などが違うから適当な言い方が他にあるかもしれない)をした。しかし前妻から離婚を言い渡され、前妻は家を出て行ってオットは娘との父子家庭になったのだけど、後日前妻が娘を引き取ることになりオットは単身に。そうなったにもかかわらず、姓は前妻のものが残ってしまったので元の姓に戻す手続きをした。

ここまででも充分ややこしいのに、数年前に長姉と2番目のお姉さんは20年ぶりくらいでオットの前妻に会い(私とオットも一緒に)、そこで険悪な雰囲気になるでもなく、『あら、久しぶりねえ』のような状態になって、それ以降はお姉さんがた3人はFacebook上でもつながって、それぞれの投稿にスタンプやコメントをして和気あいあいと過ごしている。

これが日常なのだから、『ややこしい人間関係』といっても日本人とは感覚が違うだろうし、重みがないというか・・・。

普段の生活を見てみても、タイ人は面倒くさいことから逃げて生活していることが多いから、なかなかややこしい場面には出くわさないのかもしれないなぁ、と思ったり。

ややこしい、この言葉を説明すること自体がややこしいことだ。

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