チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

ミャンマー人は壁をぶっ壊して逃げる

タイで先日発覚した海鮮市場での新型コロナウイルス感染クラスター。
私が想像するに、出稼ぎの底辺の労働者がそこのコミュニティだけで生活していたからそれまで外部に感染者が出なかっただけで、もしかしたら僅かに仕入れ客などに移ったとしても軽症または無症状で、外部の人は全員回復してしまったのではないかと。そもそも政府の発表では何ヵ月も『国内感染はゼロ』だったのだから、タイの市民は多少具合が悪くてもただの風邪だろうと思ってコロナを疑うことはなかったのではないだろうか。しかもタイでは食中毒なんて日常茶飯事なので、微熱が出てもコロナと区別がつきにくい。
そう考えると実はタイでも市中感染はあるのかもしれない。

海鮮市場でなぜ死者が発生していないのかといえば、お年寄りがいないから、と想像できる。そこで暮らしている人はほぼミャンマーからの出稼ぎ労働者なのだから、みんなそれなりに若くて体力があるはず。それで故郷にお金を送っているのだろうから。もしくは運悪くコロナで亡くなったとしても、住居の元々の衛生環境が悪いので、それによる肺炎だとか、デング熱だとかと医者が理由付けをすればそれを疑う余地はないに等しいし、不法就労者ならなおさら病院には足が向かないから本当の死因はわからない。

それはともかくとして、オットが『ミャンマー人が壁に穴を開けて逃げちゃった』と言うので、せいぜい数十センチくらいの穴を開けて家からそっと脱出したのかと思った。
市場でのクラスターが確認されてから、軍や警官がミャンマー人がその町から出ないように警備しているとか、有刺鉄線でバリケードにしていると聞いていたので、県境または市場の敷地の区切りのところで労働者たちは完全に足止めされているような想像をしていたのだけど、オットから送られてきた画像がこれ。

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何がどうなってこんなに壁を破壊してしまったのか、ミャンマー人の考え方もわからないけれど、こうなっている最中に何も手を打てなかったタイの監視官の精神もわからない。
自分たちがエリートぶってミャンマー人に重労働をさせ、そこでのコロナウイルス蔓延がわかると市中に出させない対策を取る。それなのにこんなに大きな穴を開けられ(というか、建造物をぶっ壊され)、町から脱出されるという失態。

ミャンマー人を閉じ込めるなら閉じ込めるで、きちんと管理すればコロナ騒動も収まるかもしれないのに、なぜ逃げられてしまうのか。
そして今になって周辺の県で感染者がポツポツ確認されている。これは『今、症状がある人』が検査を受けているから感染者として認識されているだけで、もしかしたら春頃から各地に感染者はいたけど検査をしなかったから感染者として認定されなかったということにはならないのかな。

そして更に思ったことが。
私のFacebookの友達がタグ付けされた投稿に、いくつかコメントがされていた中のひとつ。『ミャンマー人はコロナ持ってるから気を付けてよ』みたいなもの。
これには驚いた。
新型コロナウイルスミャンマー人には感染するけれどタイ人や日本人には感染しないというものではないし、ミャンマー人全員が感染しているものでもない。しかもタグ付けされている投稿の場所は話題になっている市場とは何百キロも離れた町。コメントをした人はバンコク在住なので、そこのほうがよっぽど市場と近い。そして、コメントをした人は日本食レストランの調理人らしいのだ。
この人こそ海鮮市場のミャンマー人がいるから食材を調達でき、異国の地で仕事ができる立場だというのに、ミャンマー人への気づかいや心づかいが感じられない。『人』への気づかいができなくても、『じゃあ俺の仕事、どうなっちゃうんだろう』という危機感を持っているふうでもなさそう。
きっと自分のことがいちばんかわいくて、海外で成功している俺、カッコイイ!と思っているのかもしれないけど、そのカッコイイ俺がいるのはどういう人たちの苦労のおかげなのか、ちょっと考えてほしいな、と思った。


一部の報道によると、ピックアップトラックか何かでミャンマー人(十何人か乗っていたと想像できる)が市場の町を脱出し(警備をどう突破したの?)、近隣県の農場に仕事を求めたのだとか。市場を脱出しているミャンマー人は他にも多数いるのだろうから、コロナのことも気になるけど不法滞在者の困窮による犯罪とか、そういうことも気になる。
どうなっちゃうの?タイ。

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