チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

『相談があります』は、だいたいそんなもの

昨日の午後、不自然な時間帯にオットから電話がかかってきた。
もしかして間違って通話ボタンを押したのかな、と思ったのだけど、鳴り続けるので出てみると、オットはなんだか興奮している様子。
それで『ヨリミチさん、相談があります』と、ものすごく単刀直入な言葉。

オットに限らず世の男性が妻に『相談があります』と切り出す話は、妻にとってはそんなに大事ではないことも結構ある。おそらく夫は自分の中で堂々巡りをして相当思い悩んでいるのだろうけど、それは相談の内容がどうのこうのというよりは、その話をすることによって妻のご機嫌がどうなるか、という問題だったりして。

我々の場合、チェンマイで一緒に過ごしているときにオットから『相談があります』と言われるときは、だいたい『午後から娘と会ってきます』という内容。そういう状況で『相談』と言われても、それは相談ではなくてお願いとか報告なのでは?と思っている。私はオットが娘と会うのは構わないし、むしろ私抜きで会ってくれ、という感じ。なぜなら娘はわがまま放題に育ったので時間は守らないし、一緒に食事をしても食べ方が汚いし、タイ人にありがちなたくさんオーダーしておいて平気で残すのを、私は見ていて気分が悪くなるのだ。それならいっそのことオットと2人だけで会って、お互いに楽しいね、美味しいね、と言ってその時間を楽しんでくれれば良いと思っている。そうすれば私は見苦しいものを見なくてすむ。それと娘はオットに会うと何かをおねだりして買ってもらうことがあるが、絶対にそれは母親(オットの前妻)には買ってほしいと言わないちょっと値の張るものだったりして、やっぱりそういうのも見ていると腹が立つので私の見ていないところでやってほしい。(でもたまには私も一緒に出掛けて監視していないとエラく高い物までオットが買ってしまいそうなので、そのへんは注意が必要だけど。)

昨日の場合はオットと私は遠く離れた場所にいるし、相談したいことの見当がつかなかった。
すると、『○○さんが良いクリニックを教えてくれたよ。ハゲが治るクリニック。○○(←場所の名前)の近くで、飲む薬とクリームみたいのだって。』と早口で、日本語も少したどたどしくなって伝えてきた。それで『ヨリミチさん、(僕は)行ったほうがいいかな』ということが相談の内容。たしかにそれは相談だ。

クリニックを教えてくれた人は私も知っている信用できる人だけど、そのクリニックの施術が万人に有効とは言えない。それに、教えてくれた人は薄毛ではないので自分で試したわけではない。
それに私はオットの薄毛は元から気にしていないし、知り合った時点で既にその兆候はあったので、今さらどうにかしてほしいとも思っていない。更に言えば、薄毛を気にして無駄に頭髪を伸ばしてカバーしようとするよりは、潔く短髪にしてスッキリしているほうが私は視覚的に心地よい。なので、オットはこの何年かは超短髪。そのスタイルだと薄毛が目立たず清潔感もあるので私は気に入っている。

実は何年か前にオットは知り合いから薄毛に効くというローションを買い(買わされ?)、それを使った翌日には全身に蕁麻疹が出て、特に頭頸部は腫れが酷く、もちろん目蓋も腫れてしまったので目を開けているのも苦しい状態になり、病院に駆け込んで注射と飲み薬で対処した、という前歴がある。そして医者が言うことには、時を同じくして同じような症状で病院にやって来た人が複数人いたのだとか。きっとその時期にその毛生え薬で一儲けした人がいたのだろう。

そんなこともあったので、私は強くオットを引き留めた。
オットもその体験を思い出したようで、思いとどまってくれた。そして『本当に行かなくていいの?』と再確認。
なので私は『ไม่มีผม ไม่มีปัญหา (髪がなくたって問題ないよ)』と言った。
私がタイ語を発したことで、オットは私の真剣度合いをわかってくれたようで、クリニックには行かないということで話は落ち着いた。

タイ人はとっても見た目重視な価値観をもっているので、タイ人どうしだと白髪やハゲはダメらしい。なので歳を取っても『みどりの黒髪』をたたえている人は、ほぼ白髪染め利用者。しかも、髪が黒いことが重要なようで、ブラウンやダークグレーなどにはしない。
だけど私は、時代はもうそこから一歩進んでいて、自然な姿のほうが評価されるようになってきているように感じているので、あるがままの自分を受け入れ、自然体で生きていくほうが自分自身もラクなんじゃないかな、と思っている。

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