チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

当たらなかったし転ばなかったが

午後の早い時間帯に、実家近くのスーパーマーケットやドラッグストアで買い物をするために自転車で出掛けた。
自転車はスポーツタイプで電動アシスト付き。
これは友人の転居に伴う断捨離で譲ってもらった物。ただでさえスピードが出るような自転車なのに電動アシストもあるのでかなり快適に遠くまで行ける。
が、それなりに重さがあるので注意しなければならない。

そんな自転車でスーパーマーケットに向かうには郊外型100円ショップの駐車場の前を通りすぎることになるのだけど、そこからは1台の軽自動車が車道に出ようとしていた。
その車は駐車場内の『止まれ』の位置で停止して車道を走行する車が途切れるのを待っているのは分かったし、ヨリミチは自転車で左車線を走っていたのでここまではお互いにルール上の問題はない。

ヨリミチのすぐ後ろには乗用車が2台走っていることを知っていたので、その2台にヨリミチを追い越させるべくかなりゆっくり走り、2台が行き過ぎてからそれに続くように走ろうとしていたら・・・

なぜか停止している軽自動車がヨリミチの行く手を塞ぐように車道に出てきてよもや衝突!
というところでヨリミチは急ブレーキをかけて、前輪が車体に当たったかどうかわからない状態で半分転びながら自転車から降りた。
そこでの選択肢は自転車から降りずに軽自動車の運転席側に正面衝突して止まるか、転ぶ覚悟で車の手前で飛び降りるか、だったのだけど、前輪をぶつける方が簡単に止まれるとは思ったのだけどそれだと最悪の場合は車が右折するのだとしたら巻き込まれてしまうかもしれないので咄嗟の判断で飛び降りた。
端から見たら車にぶつかった女性が自転車ともども地面に倒れたように見えたかもしれないが、実際はハンドルを離さなかったので自転車は地面に倒れていないし、ヨリミチも両足で着地したので『倒れそうになった』というだけ。
ただ、その瞬間は車に当たったかどうかはわからなかったので、もしも前輪がぶつかっていればタイヤがパンクしたかも、くらいな感じ。

すると車の運転手がドアを開けて車を降り、『大丈夫ですか?』のような声を掛けてきた。
まあ、ヨリミチとしては怪我をした感覚はなかったので『体は大丈夫です』と答え、こちらも『車にキズは付きませんでしたか?』と聞いた。
運転手の感覚としては自転車が衝突したような衝撃は感じなかったし、車体にも何も跡が付いていないので『ぶつかってはいないと思います』とのこと。

ということで、車と自転車は接触しておらず、しかもヨリミチに怪我などはなかったので念のために連絡先の交換をして『後から痛みが出たり自転車に不具合があったりしたら連絡します』のようになって終了、だと思っていた。

なのに運転手さんは『念のために警察を呼んでいいですか?』と言う。ヨリミチはそこまでしなくてもいいのにという気もしたのだけど、運転手さんが『後になって(ヨリミチが)むち打ち症になったとか怪我をしていたとかの言いがかりをつけて面倒な展開にならないとは言い切れない』と思っているのなら一応警察を呼んでおくほうが良いのかな、と思って同意した。

そして警察の到着を待つ間に少し話をしたのだけど、その人が言うには『右折しようとしていて左から来る車が途切れるのを確認し、右を見ずに発進してしまった』とのこと。
と言われても、車体の形状ではヨリミチは死角になっておらず、こちらからは運転席に座っている人の姿は見えていたし、そもそもヨリミチの後ろから来る乗用車2台はヨリミチを抜いてその軽自動車の目の前を通って行ったのだから『右側を全然見なかった』ということはないと思う。少なくとも『右から来る車が行ったら左側を確認して、そっちから何も来なければ自分が発進して右折』ということを無意識のうちに意識しながら左右を確認したのだけど、惰性のような確認だったから自転車を認識していなかった、のようなことではなかろうか。
しかもウインカーを点けていたかどうかは分からない。なのでヨリミチは『ところでどちらに曲がろうとしていたのですか?』と聞いたのだけど。ヨリミチが左車線を進みながらその車を見て、ウインカーが点いていないように見えた(つまり、点いているとすれば左折ウインカー)ので『この車は自分(ヨリミチ)の進行方向に進む(=左折する)のだろうな』と思っていた。
なのにいきなりの右折。
なのでこちらも転ぶように降りるしかなかったのだけど。

それにしても運転席さん、妙に腰が低いというかご丁寧というか。
それなら右折するときにはきちんと右側を確認してよ、って話なのだけど、状況確認が甘かったわりには警察を呼ぶことには素早いアクションというか仮にヨリミチが『警察は呼ばなくていいです』と言ったとしても『いえ、呼びましょう』と言うだろうな、という勢いだった。

ほどなく警察官がバイクでやって来て、状況の説明やら怪我や損害の有無を確認したり、軽自動車の運転手さんの免許証と車検証、それとヨリミチの身分証明書を出して書類の作成。ヨリミチの自転車は防犯登録の照会とかメジャーを使って大きさを測ったり。
そして書類には当事者の職業も書くらしく、ヨリミチは『主婦です』と答えた。軽自動車の運転手さんは『地方公務員です』と小声で早口で答えていた。それはきっとヨリミチには聞こえてほしくなかった情報なのだと思うけれど、聞こえてしまうものは仕方ない。警察官も『地方公務員』だけでは情報が足りないらしく、もう少し詳しく聞いていて、どうやら役所勤めの人のようだった。しかも定年間近。
だから警察を呼ぶ呼ぶと言ってさっさと通報したのか、と合点がいった。
もしもヨリミチが極悪人だったら円満な定年退職ができなくなってしまうかもしれないから・・・。

まあ、こちらとしても身体に痛いところはないし、自転車も無事なようだし相手の車に傷をつけてもいないようだし、事故ではなく『事故になりそうだった』ということなのだけど。

でも今回なぜ究極の状況でも転ばずに自転車から飛び降りることができたのかというと、ちょっと前に自転車で転んだから。

そのときはあるところに行く途中で道を間違えて、『あ、1本前の角を曲がるんだった』ということで自転車を降りて向きを変えようと思ったら、ついママチャリの感覚で前側から足を抜こうとしてしまい、でもそれはスポーツタイプの自転車なので真ん中のフレームがあって足が抜けるはずもなく、なすすべなく転倒。

後から考えれば、左足を地面に着けば転ぶこともなかったはずなのだけど、そのときは右足を前から抜くことばかりに気を取られてしまってスローモーションのように倒れてしまった。

でもその転倒があったから今回のことは事故にならずに済んだわけで。

損して得取れ・・・じゃないけど、そんな感じか?!

PVアクセスランキング にほんブログ村