今年のゴールデンウィークは人の移動はコロナ禍前の状態に戻りつつあり、マスクの有無も個人の判断で、ということになった。
ちょうどそんなタイミングで叔母が退院して自宅で静養することになったので、ある日母とヨリミチと妹の3人で会いに行ってきた。
前回会ったのはコロナ禍前で、確か5年前だったはず。
そのときは叔母の夫、つまりヨリミチの叔父(母の弟)はそこそこ耳が遠くなっていた。叔父は若い頃から少々聞こえが悪かったらしいのだけど病院をいくつも変えて受診してみたけれどそれほど改善されず、そのまま歳を取ってしまった。
5年前に会ったときは大きな声で話し掛ければ会話が成り立っていたのだけど、それから認知症のような症状が表れ、今ではその診断も出ているようだ。
叔父とヨリミチが顔を合わせたのも5年ぶりで、『おじゃまします、こんにちは』と挨拶をしたら非常に他人行儀に『あぁ、どうも。こんにちは』のような反応だった。
が、居間で過ごしているうちに記憶の何かが戻ってきたらしく、ヨリミチを見て『この人は〇子(ヨリミチの母)の若いときに似てるんだよな』と言い出した。そしてヨリミチのことを『名前は分からないけれど知っている人』と思うようになった。
このときヨリミチは妹と並んで座っていたのだけど、妹については『俺のことを知っているみたいだけど俺はこの人のことを知らない』という感じだった。
でもヨリミチとしては妹のほうが母に似ていると思っているので叔父が妹のことを『〇子に似ている』と言わず、ヨリミチを『〇子の若いときに~』と言ったのは驚きだった。『若いときに』と言うということは、時系列としては間違っていないので。
思い出してみると、数年前に父が緊急入院したときに担当医から母、ヨリミチ、妹の3人が呼ばれて話をする機会があったのだけど、そのときに場の雰囲気を和ませるためか先生はヨリミチの顔を見て『お母さまと似ていらっしゃいますね』と言ってくれた。が、ヨリミチ自身は母に似ているなんて思っていなかったし、目指している系統ではなかったので『えっ?そうなの?!』と思ってしまったのだけど、もしかしたらその頃からだんだんと母に似ているナニかが出てきたのかもしれない。
しかし叔父から『〇子に似ている』と言われた翌日、地区の用事でわが家を訪れた初対面の人に『娘さんはお父さんとそっくりねぇ』と言われたので、やっぱりまだ基本は父系っぽい。