チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

コネがないとやっぱり危ないタイ

オットの知り合いで私も何かとお世話になっている日本人男性(仮名Aさん)がいるのだけど、その人を経由して知り合ったタイ人の若者(仮名Z君)がいる。
Z君の実家はチェンラーイの郊外で、何年か前にチェンマイの大学に進学し、サービスアパートメントでアルバイトをしていたときにAさんと知り合うという流れだった。
Aさんはカタコトのタイ語と英語を話せたし、Z君は大学で日本語を学んでいたのでお互いにカタコトの言葉でコミュニケーションをとっていたというわけ。
Aさんは年に2~3回チェンマイに滞在し、いつも決まった場所に宿泊していたのでZ君とも仲良くなったようだ。

そんなZ君、大学の在学中に兵役を志願し、どうも休学と留年を経て大学を卒業したようだ。そして卒業後は陸軍に入隊し、休暇のときには実家に帰ったりチェンマイで友達と会ったりしていた。
そして配属部所が決まったのだけど『コネがなく若い人』お約束の南部地域だった。
タイ南部は治安がよろしくなく、旅行先としてはおすすめできないような場所で、今でも政治的、宗教的な諍いがあるので軍の監視が必要なのだ。コロナ禍の今はわからないが、その前までは銃撃事件なども多い地域だった。

Z君が南部から異動になったという話は聞いていなかったし、地方の一般家庭で育ったZ君に強力なコネ(親類や知り合いに軍や警察の上層部の人がいるとか)はないので、ある程度の年齢になるまではずっと南部勤務なのかと思っていたら、最近AさんがLINEで連絡をとったら『チェンマイジムカーナゴルフ場の近くにいます』という返信があったとのこと。
たしかに、そのゴルフ場の近くには軍事施設がある。
私は単純に『あら、よかったわね』と思ったのだけど、オットの意見は違った。コネのないZ君がそんなに安全なところに配属されるはずはないというのだ。
言われてみれば、そのとおり。何かの訓練で一時的に来ることはあっても、そこに定着するとは思えない。
オットがいちばん心配していたのは、そのゴルフ場の近くには軍の病院もあって、Z君はそこに入っているのではないかということ。
南部駐在の間に怪我をしてチェンマイに運ばれたとか、精神的にダメージを受けたりして入院することになったとか。オットに言われて思い出したけど、その病院は周りを高い塀に囲まれているので重篤な患者用の精神科があるのかもしれない。

心配になったオットはZ君にLINEメッセージを送って、『Aさんからあなたがチェンマイにいると聞いたけど、元気にしていますか?』と聞いてみることにした。オットはそれほどA君と仲が良いわけではないと私は認識していたのだけど、よほど心配だったのだろう。
するとしばらくしてから『今はメーアイにいます』という返事があったとのこと。
メーアイというのはチェンマイの北端、チェンラーイに隣接している町で、北は川を挟んで向こう側はミャンマー。昨年の11月から12月にかけてコロナ感染しているタイ人が不法帰国(越境)するなどで話題になっていたエリア。
しかしコロナがあってもなくても不法入国や違法薬物の闇取り引きなどが多く、管理が大変な地域。

↓オットからの画像
右上の薄いだいだい色がメーアイ
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Z君にとっては南部の駐屯地よりは格段に実家に近いし食事や気候も身体に合っていて過ごしやすいだろうし、住民と話をするにしても言葉の違いがない分ストレスは減っただろうけど、オットが言うには『そこも危ない場所』。たしかに、薬物がらみのいろいろな事件が多発している。

結局、Aさんの言っていた『Z君はチェンマイにいる』というのは休暇か何かでたまたまそこにいただけなのか、南部からメーアイへの移動でチェンマイ通過中に偶然Aさんのから居場所を聞かれて本来なら『メーアイに向かっている途中で今はチェンマイです』というところを『チェンマイにいます』とカタコトの(否、シンプルな)日本語で答えたのか。

どちらにしても、Z君は陸軍で頑張っているようだし、最悪のケースの『チェンマイで入院』ではなかったし、ちょっとだけ安心した。

コネがなくて優しい心の持ち主のZ君、この先の勤務地がどうなるのか私にはまったくわからないけど、なるべく平穏な人生を歩めますように。

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