チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

親戚が入院した

とある火曜日。
夕方からオットが娘と何度か長めの電話をしていて、熱はあるの?とか何か買って行こうか?みたいなことを言っていたので、てっきり娘の具合が悪いのかと思っていた。
1ヵ月くらい前も、娘が大学からの帰り道に貧血のような症状(だと思う)でクラクラして、車を路肩に停めている、なんていう状態でオットに電話をかけてきたから。
それにしても具合が悪い人と長電話っていうのは不自然だし、電話を切れないほど心配なら娘の家まで様子を見に行けばいいのに、と思っていたら、具合が悪いのは娘の母、つまりオットの前妻で、その日の夕方に入院したというのだ。

しかも信じられないことに『入院した』とは言っても病室に入っているのではなくて、空き部屋がないのでストレッチャーのようなベッドで廊下にいる、というのが娘からの話。

その日、前妻はいつもどおりに出勤し、体調が悪いながらも仕事をして、退勤後に病院に行ったとのこと。娘が言うには前日から下血があってそれが止まらないので病院へ、ということだった。だけどその時点では検査もしておらず出血箇所がはっきりしていないのでただ横になっているだけ、のようだった。
オットは『緊急外来で病院に行ったんでしょ?』と確認していたが、タイのシステムは私にはよくわからない。前妻は自力で運転して行ったようだが、そういう人(救急車で行かなかった人)は入院対象外なのか?

その病院というのが前妻の家からはかなり遠い。職場を通り越して更に2倍くらいの距離。どうしてそんなに遠い、しかも自宅とは逆方向の病院に行ったのかオットに聞いてみたら、どうやらそこが職場の指定病院なんだそうで。職場から自宅までの間(尚且つ職場からすぐ近く)に大きな病院があるのに、そこには内視鏡の専門医がいないんだか(←規模からいって、そんなことはないと思う)、職場の保険契約外なので全額自己負担になるのが嫌だったのか(←絶対こっちの理由だろう)、遠くの国立病院に行ったとのこと。

翌朝、オットが本人に電話して『具合はどう?』みたいな話をしていたが、実は下血は4日間あった末の入院だったらしい。まあ、電話で話せるというのはそれなりに安心できる状態だとは思うが、相変わらず廊下の住人のようだった。で、検査もまだ。症状は続いているようなのに。
前日もオットは言っていたが、病院は患者さんでごった返しているんだとかで、新規入院を受け付けるのは非常に難しいらしい・・・けど、だからと言って廊下で寝かせるって・・・どうなの?

国立病院ということは、収入が低い(とか、『低い』ところにも届かない)人が多数訪れる場所だというのは考えなくても解ることで、だいたいいつも待合室は混雑している。おそらく入院費も個人の収入次第で上下するシステムで、お金に余裕のない人は病院のベッドにいるほうが自宅にいるより快適なのだろう。食事も出るし。そんなふうでは空きベッドもなかなか出ないと思うのだけど、前妻の職場がそんな病院を指定病院にしていることに驚き。たしかあの職場は寄付やら何やらで金銭的には潤っていて、前妻もそこで働いていることにステイタスを感じているはず。それなのに安い国立病院を指定なんて。
で、前妻いわく、専門の先生は常駐ではなくて曜日や時間が限られているから専門的な検査はいつ受けられるかわからない、と。国立病院は専門医もいて、設備も最新のものがあるからこっちを選んだ、みたいな話をしていなかったっけ?
下血が4日も5日も続いているのにそんなふうでいいのか?
オットによると点滴と輸血をしているらしいのだけど、下血しているから輸血、っていう対処で正しいの?

とにかくこの国の出来事は理解の範囲を越えていることが多い。

で、水曜日の夜にオットに前妻の様子を聞いてみたら、スマホの電源が切られているよう(若しくはバッテリー切れ)で、娘が火曜日、水曜日と病院に行っているので娘から話を聞いたとのこと。娘によると水曜日の昼間に病室が決まったということだけど、検査については言っていることが意味不明。出血の原因も、わかったのかわかっていないのか。何のための入院なのか、何のための見舞いなのか、何のための電話なのか。

前妻は大卒だし、娘は現役大学生。なので知能的には低くないはずなのにこんなふうで、企業や組織の保険システムが金額重視のような契約。そして検査の見通しも立たない(らしい)国立病院。
タイ人の平均寿命の短さは、交通事故が多いから、だけではないな。

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