チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

髪を切ることについて

ずっとロングヘアだった私が、一昨年バッサリ髪を切った。
と言っても美容師さんの度胸が足りなくて(?)、最初は実に中途半端なショートヘアだった。私の感覚ではセミロングのような。
だけど長年ロングヘアでいると、髪本来のクセが髪の重さで打ち消されてしまい、しばらくはコレだ!というヘアスタイルにはならない。
この1年くらいでやっと髪が伸びたい方向にきちんと伸びている感じで、こういうヘアスタイルがいいかな、というものが掴めてきた。

昨年の暮れに美容室に行ったとき、ちょっと短めでお願いします、とリクエストした。しかし前述のとおり大胆に切りたがらない美容師さんなので、私が思うよりは長めの仕上がりになった。
それはそれで気に入ったけれど、実は耳を全出しにしてもいいかな、とか、なんなら後ろはベリーショートでも、と思っていた。
ほどなくしてタイに行き、夫と会ったら、取り敢えず髪型のことは褒めてくれた。そこで、本当はもっと短くしたいんだけど・・・と言ったら、そういうのが良ければそれでいいんじゃない?みたいな返事だった。

タイ滞在中に夫の姉と会うこともあり、彼女はタイと日本を頻繁に行き来しており、日本のトレンドも理解しているので、私の髪型について「トップにボリュームがあるから後ろはもっと短くしたらかわいいかもね」と言っていた。
そして姉が美容院に予約してある日があるから一緒に行くか?つまり、私の髪も切るか?という話になった。
タイのローカルな美容院は、もちろん場所にもよるが、日本の1/10くらいの金額で済むことがある。金額は魅力的だけど(というか、むしろ安すぎて恐い?!)、自分1人で行って思ったとおりのスタイルになるかどうかは保障がない。
だけど日本語ができてセンスの良い姉と一緒ならほぼ大丈夫だろうという気がしていた。それにローカルなお店ってとても興味があるし。
そんなわけで、私も現地で髪を切るという話になりつつあったのだけど・・・

夫の本音はベリーショートは避けてほしい髪型だったようで、「とっても短くしたら、毎月毎月美容院に行かなくちゃならないんだよ」とか「ちょっと伸びただけでもヘンになるよ」とか、何かにつけてマイナス要素を伝えてくるようになった。
私はちょっと伸びたくらいならセルフカットして凌ぐくらいのことはできるし、毎月のように髪を切りに行くことが苦痛になればまた髪型を変えればいいや、ぐらいに思っていたのだけど、ついに姉が夫の本心を私に伝える事態になった。

タイではいろいろなジェンダーの人がいて、それぞれになんとなく特徴となるような髪型がある。私もそれを理解していて、私がしようとしている髪型はタイのオナベさんたちと似ているよなあ、と思っていた。
夫の考えていることはまさにそれで、私があまり髪を短くすると、夫は世間の皆さまから「あの人の奥さんはオナベだ!」と言われてしまいそうだということを気にしていたのだ。
夫は私の意見を尊重してなのか、私を傷付けないためなのか、私には他の言い方をしてベリーショートを回避させようといていたのだけど、姉には自分の意見を伝えていた。姉ももちろんタイ人だから、夫の気持ちも理解できるし、だけど日本ではベリーショートは女性のヘアスタイルのひとつとして受け入れられているということもわかっている。日本で生活するなら私にはベリーショートが似合っているんじゃない?という気持ちでヘアカットを勧めてくれた姉も、やはり弟の気持ちも大事にしたかったらしい。

身近なタイ人女性を思い浮かべてみると、髪型のバリエーションが極端に少ない。
ロングのストレート、ボブのストレート、いわゆる段カット。と、本当にそのくらい。
そしてオナベさんは、日本的にいうとボーイッシュな女の子用のショートカット。
ジェンダーはたくさんあるのに、どうしてタイ人女性のヘアスタイルは紋切り型なのだろうか。

ま、その疑問は置いておくとして、私は夫の名誉のために(?)ベリーショートは諦めて、なんとな~く伸びきったショートカットで落ち着くことにした。そして、ちょっと伸びたなあと思ったらセルフカット
結局、タイの美容院デビューはおあずけ。

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