チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

2019年 ビザ申請ストーリー

前回の、6月からの約3ヵ月の滞在で目論んでいたのはタイで1年有効の滞在ビザを得ること。わたしの場合は『タイ人の家族・配偶者』というカテゴリーで。
しかしそれは叶わず。というか、申請しないで日本に帰った。

というのは、出発前にタイでのビザ申請・発給の条件などを調べてみたのだけど、日本語の資料が少ないこと、そして参考になればと個人のブログなどを探してみても、ほとんどの場合が『タイ人女性と外国人男性』という組み合わせの夫婦で、わたしたちとは前提条件が違うので、自分に何が必要なのかがはっきりしなかった。
タイでビザを取るとか結婚の手続きをする場合は現地のお役所仕事事情により日本では考えられないくらい時間がかかる。日本人はビザなしだとタイに30日間しか滞在できないので、90日有効のビザを東京のタイ大使館で申請することにした。東京でビザ申請するときは、往復航空券を予約済みということが条件なので、そのようにしてビザを発給してもらってタイに行ったわけなのだけど・・・。

まず、タイの入国管理局で書類の調達。
これはオットが先にやってくれた部分もあるのだけど、聞き方が悪いのかその土地の慣習なのか、全部まとめて『コレです』という形ではなかった。なんか情報を小出しにしてくるようで。
でもそこで、彼が事前に役場で出してもらう書類があることがわかったのは収穫だった。この情報がなければ、何も知らずにビザ申請に出向いてしまって手元にある古い書類を出して、『これは期限切れの書類なので使えません』と言われるところだった。

で、オットは必要な書類リストをもとに、自分とわたしがそれぞれ準備するものを整理した。

何度か入国管理局に出向いているうちに、だんだん手順がわかってきて、申請は『わたしが持っている東京で発給されたビザの失効予定日から45日前』から受け付け可能ということがわかったので、わたしたちは7月15日に申請することにした。オットの仕事も、そのあたりまでヒマだったので都合がよかった。

当日は入国管理局が8時に業務開始ということだったので、8時前に着くように出発。
到着したのは7時40分頃。
すでにドアは開いていて、最初の受け付けコーナーで『タイ人の家族ビザの申請です』と伝えると、番号札を出してくれた。ビザの種類によって番号札のアルファベット(最終的には行くべきカウンター)が違うので、ここで間違ってはならない。
この受け付けで、持ってきた書類を確認してくれる。そこでオットは、リストに書かれていた書類でひとつわからない物があった、と相談したら、早速その書式を出してくれた。要は、犯罪(無犯罪)宣誓書のようなものだったのだけど、そういうものは事前に問い合わせに出向いたときに出してくれても良いのでは?
わたしは待ち合い席についていたので、オットがもらってきたその書類にサインをした。
ちなみに、必要書類のリストには『それぞれ2部』と書いてあり、○○証明とか○○届などは2部用意しなければならない。写真も2枚。そして、申請書も2部!
どうして全て2部必要なのかわからないが、一説によると『1部だけだとそれが盗品の可能性があるから』だとか。でも、申請書が2部という事態になると、それこそ誤字脱字が発生する可能性が出てくるのだから、申請書原本は1部持参、それを現場でコピーするシステムにすればいいのに。本当に意味がわからないタイのシステム。

この日は8時頃から待ちの態勢になり、番号が呼ばれたのが11時半過ぎ。ちなみに我々は11番目の呼び出し番号だった。

然るべきカウンターに行って書類を出すと、まず『今日の受け付けはできません』と言われてしまった。
規則によると、『所持しているビザの失効予定日を含めた45日以内』ということで、申請できるのは翌日以降なのだと。我々は『失効予定日の前日から起算して45日』の日に行っていた。
もー、それなら最初の受け付けで言ってよーーー、って感じだったのだけど、少し話を聞いてみた。
その日の翌日と翌々日は祝日で入国管理局は休みなので、実際に申請できるのは3日後から。
ビザを申請しても、その時点で有効なビザが失効するまでは新しい家族ビザは発給できない。
家族ビザは、その時点で所持しているビザの失効日の翌日付けで発給となる。
家族ビザは1年有効だが、最初の1ヵ月は仮許可状態で、発給日の1ヵ月後に本許可のスタンプを捺してもらわなければならない。
それまでの期間は調査が入る(登録家屋に本人が継続して住んでいるかどうかの確認のため電話があるとか、近所に調査が入るとか)可能性があるので、登録した居住地から離れないことが望ましい。
家族ビザを申請できるのは、入国前に家族/配偶者のビザを発給された人のみ。観光ビザから延長する形での申請は受け付けない。

と、事前には知り得なかったいろいろな条件があることを知った。
そして、わたしは東京で発給されるビザは90日の滞在許可なので、88日目に帰る航空券を発券済みです、と伝えたら、そういう人には特例で滞在の延長許可と、一旦出国して戻って来ることを選択するならそのため限定の再入国許可を出すことができます、と言われた。そんなシステムがあるなんて想像すらつかなかった。

観光ビザや退職者ビザでタイに滞在している人は、有効期間内に『再入国許可申請』をしないで出国してしまうとどんなにビザの残存期間があろうと出国した時点でビザが失効するので、このときの私の場合も『持っているビザを失効させて新たなビザを発給する』のだと思っていた。失念した者にはいとも簡単にビザの失効を宣告するわりには、ビザの切り替えに関しては頭が硬い。それに、東京でのビザも、観光ビザにするべきか配偶者ビザにするべきかわからず、ただ単に揃える書類が少なくて済みそうな配偶者ビザにしたという経緯があり、これはこれで結果オーライだったのだけど、もしも私が観光ビザを申請していたらタイで家族ビザの申請は不可だったわけで。

おそらく数年前までなら、申請が1日くらい早くても『やっちゃいましょう』がまかり通ったのだと思うし、観光ビザで滞在していたとしても『いいから、いいから』で受け付けていたかもしれない。
しかし今は以前とは政権が変わったこともあり、そういう(ある意味での)融通が利かなくなったというか、表面的な法律順守の方向に進みつつあるのだろう。

それと、もうひとつ驚いた(というか、開いた口が塞がらなかった)のは、さっき入り口で貰った書類が『これは古い書式なので使えません』と言われて突き返されたこと。
オットは『でもさっき、そこで貰ったのですよ』と指差しながら言っても『いえ、これは使えませんから』という押し問答。今回こういうふうになったということは、過去に同じ目に遭った人もいるはず。それなのにどうして内部で情報共有しないのか。ビルが違うとか階が違うとか、そういう話ではなく、本当に目と鼻の先の位置なのに、である。事務作業のお姉さんと入り口の受け付けの人、仲悪いの?!
で、机の引き出しから新しい書式のプリントを2枚出されて我々はさっきと同じように署名をした。

結局、わたしの場合は翌日以降にビザを申請するとなると、発給は8月30日付け。そして9月の後半に『残りの11ヵ月分の許可スタンプ』をもらうために再入国するか、もともとの帰国便チケットをキャンセルしてチェンマイに滞在し続ければ家族ビザを入手できる、という状況を理解した。

そう言われても、実際は8月下旬から9月にかけて日本での仕事を請ける段取りにしていたし、それがないと金銭的に苦しくなるので、自分の中に『タイに居残り』という選択肢はなかった。
それに、翌年以降も家族ビザの延長をするとしたら、1回目のビザ発給日が基準となって、その直前に延長申請をすることになるので、毎年8月にタイにいる必要がある。
しかし7月と8月は日本での仕事がやや繁忙期なので、できればその期間は日本に滞在して少しでも稼いでおきたい。
そんなわけで、このときに無理してビザ発給にこだわるのはやめて、次の機会を狙うことにした。

それが今回の滞在なのだけど、どうなることやら。

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