チェンマイの仮住まい宅は平屋なのだけどトイレが3箇所あり、つまりオットとヨリミチでそういうところも管理しなければならなかった。
でも3つのうちの1つは半屋外の洗濯スペースで、この家で過去にお手伝いさんを雇っていたときに納戸のような部屋とトイレをお手伝いさん用にしていた名残で今は使っていないし、今後も誰かがそのスペースを個人の部屋として使う予定はないので明らかなゴミがなければ良しとして、掃き掃除程度しかしていない。
お手伝いさん用のトイレは旧式のスタイル(しゃがんで用を足してバケツで水を流す)なので故障するような部品もないし。
なので完全に室内に存在するトイレは2箇所で、我々は寝室からドア1枚で隔てられているところをおもに使い、もう1箇所は『週に1回くらいは使おう(=水を流そう)』ということにした。
それでヨリミチが気になったのは、日本のテレビコマーシャルなどでも言葉を耳にすることがある『さぼったリング』。
見た感じ、トイレの設備としては古くないというか寧ろまだ取り付けたばかりのようなピカピカのトイレなのだけど、なぜか水位線のあたりが黒ずんでいるような。

でもヨリミチがその家に行く前にオットが何週間か寝泊まりしていて、オットは結構まめにトイレ掃除をする人なのでその黒ずみはオットが使ったことによる汚れではないはず。
トイレは古くなると尿石が付着して、そこに汚れが残りやすくなって表面がくすんだ状態になる。だけどそのトイレは全体がくすんでいるわけではない。前述したとおり、トイレそのものはピカピカなのだ。
それじゃあ、その汚れって何・・・?
オットの自宅の水は水道管から直接引いているのでときどき濁った水が出る。
が、仮住まい宅は敷地内にタンクを設置して、家じゅうの水道は一旦そこに溜めた水を使っている。大家やオットが言うことにはフィルターを通しているとか何かのシステムがあるとかで、蛇口から出るときにはきれいな水になっているらしい。なので外(庭など)の水もトイレの水もキッチンシンクの水も『安全ですよ』みたいなことになっている。

けど、実際は細かな砂とか泥みたいなものがフィルターを通過して常に蛇口から出ているようで、水を流すたびに便器のコーティングとか陶器部分が削られていたらしい。
そうなると水位線のところはいちばんダメージを受けるのか、まるでさぼったリングのようになってしまって気分の良いものではない。
最初にそれを見たときは『あれ?掃除が足りなかった?』と思ったのだけど、ブラシで軽く擦れば輪っか状の黒ずみは薄くなり、だけど汚れが剥がれた残骸のようなものはどこにもないので不思議に思っていた。
でも洗面台やキッチンシンクを拭くときに感じるヌメリのことを思い出し、それが水道水に混ざり込んでいる泥や砂埃だとしたら、トイレの汚れみたいに見えるものもその物体が原因なのかも、と想像した。
ということは、トイレの水を流すと便器内にはいつも同じ位置まで水が溜まるわけだけど、それが何百回、何千回と繰り返されればますます『さぼったリングもどき』が酷くなるのでは・・・?
それなら水位線を変えてしまえばいいのかも!ということで、トイレを使った後は状況が許せばバケツで水を流すことにした。そうすると水位が押し下げられるので。

この家のトイレは新しいわりには水洗ボタンは1個だけなので大・小の区別がなく、いつも大量に水を流すことになる。
過去に日本のメーカーの取説を読んだときには『トイレットペーパーを使ったときは「大」で流してください』ということが書かれていたのでヨリミチは毎回大量の水で流さなくてはならないのだけど、タイではトイレットペーパーはゴミ箱に入れて処分するので流す水は最小限でも良い。
なので洗面台に小さなバケツを置いておき、トイレの後は手を洗いつつバケツに水を溜め、その水でトイレを流すことにした。
するとあの汚れのような黒ずみも発生しにくくなった。
そのバケツで2~3杯の水を流すことにはなるのだけど、それでもトイレのボタンを押して水を流すよりは節水になっているはず。
それで汚れも目立ちにくくなるのなら一石二鳥というもの?!
