タイ人の食事は外食か買って帰って食べる人の割り合いが高く、家にキッチンがないケースも多い。
ヨリミチのチェンマイでの仮住まい宅も火を使えなかったので外で食べるか、袋を開ければすぐに食べられる状態の物を買うことが殆んどだった。
ここで言う『袋を開ければ』というのは日本のチルド食品のようなきちんと封をしてある状態なのではなく、買った物をビニール袋と輪ゴムで持ち帰り仕様にしてくれている物のことを指す。
それでソムタムだとだいたいの物は材料を混ぜてクロック(石でできた鉢と棒)で程よく叩いて調味料と和え、形としては完成した物をビニール袋に入れてくれるので、あとは食べるときに必要なら砂糖とか唐辛子などを加える。
もしかしたらそれまでのヨリミチがそれしか目にする機会がなかっただけなのかもしれないけれど、先月までの3ヵ月間の滞在で『材料だけを袋に入れたキット状のソムタム』を何度か買うことができ、最初に見たときは衝撃というか感動というか、『こういうの待ってましたー!』と思ってしまった。
というのは、個人的には『出来上がった惣菜』は味が濃いと感じることが多く、ソムタムだと『こんなに調味料入れなくていいのに~』と思ったり、クロックでの叩き加減も『もう少し控え目でいいんだけどなぁ』と思ったりするので、野菜サラダのような状態で買うことができれば自分で好きなように調味できるので都合が良い。
それにヨリミチの場合、叩かれた野菜よりは叩く前の野菜のほうが食感が好きなので、『叩かないソムタム』がほしいくらいだし。
で、最初に購入したのはベジタリアン食堂で朝食を取った日で、昼に食べる物を買って帰ることにしたので惣菜が並べられている台を見たら、野菜サラダのような物があった。それを手にしたら『そのソムタム、自分で作るのよ。クロック持ってるの?』と聞かれた。
そこでそれがソムタムなのだということか分かり、クロックについては一応家にあるけれど、この野菜は叩かないで食べたいな~、と思った。が、そんなことを言ったらお店の人に『ソムタムはクロックで叩いて作るものなのよ!』とか言われそう(で、売ってくれなかったら困る!)だったので、『クロックは家にあるので大丈夫です』と答えて無事にソムタムのキットをゲットした。
そしてお昼に実食。
いちばん左の袋がソムタムなのだけど、この日は大家から大量に差し入れられた白菜とレタスがあったので、取り敢えず中途半端な状態だった白菜を消費することにした。
なので白菜とソムタムの材料を鉢に入れ、タレには唐辛子が結構入っていたので大きな物は取り除き、マナオを絞った。
これで干しエビでもあれば最高なんだけど・・・と思ったところで気が付いた。
ベジタリアン食堂で買ったのだから、エビがないのは正解なんだ。
それなら小エビを買ってストックしておこうかなぁ、と思ったのだけど、そう言えばオットはエビにアレルギーがあるので食べてはいけないんだった。
ソムタムにはだいたい干しエビが入っているものなので、この『ベジタリアン食堂のソムタム』というのはオットにとっては安全な惣菜だということになる。
しかもこのお店の麺料理がオットの好物なので、他のお店でビクビクしながら小エビ入りのソムタムを食べるより、このお店で麺料理を食べるついでにソムタムも注文すればアレルギーの心配なく食事ができるので安心。
ということに気が付いた。