オットはよく家の中で『大きいチンチョッ!』と言っている。
チンチョッ(正確には『チンチョック』と最後に k の音がついている)というのはヤモリのことで、ヨリミチはヤモリをかわいいと思っているので『どこにいるの?』とオットに聞いてしまうのだけど、実はこれ、オットは『大きい』と言っているのではなくて『キー チンチョッ』と言っているのだ。
『キー』というのはフンのこと。
オットは動物のフンの中でヤモリのフンがいちばん嫌いなので目にするたびに『あぁ、もうっ!』という感じで『キーチンチョッ!』と言いながらティッシュでヤモリのフンを拾って始末している。
ヤモリのフンなんて無言で始末すればいいのに、オットの『もう、まただよ・・・』という心の声が独り言になって不意に出るのだろう。
そのたびにヨリミチは『え?チンチョッいるの?
』と言ってしまっていたのだけど、ようやく最近は『あ、フンがあるのね』と理解できるようになった。
が、日本への帰国間近。
空耳から解放されるのに時間がかかりすぎた感じ。