チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

去ってよかった

今日は先日北海道で起こった観光船事故の船会社の社長が会見をするという日で、私は仕事中にラジオを聞いているのだけどその時間帯の生放送番組が通常のプログラムの時間を割いて会見の様子を放送で流すこととなった。

そもそも土曜日に発生した事故の経緯の説明とか代表者からの謝罪をするのにこんなに時間が空くということは、当事者意識が薄いというか、できれば逃げ出したいという心理の表れというか、とにかく『期待できない人』が登場するのだろうなぁ、という想像はできた。

多分テレビでも中継があるのだろうからテレビを見ようかとも思ったのだけど、そういう人の映像を見るために仕事の手を止めたくなかったので引き続きラジオを聞くことにしたのだけど、冒頭の数分で『あ、想像以上(というか、想像以下)だわ・・・』と思ってしまった。
この会見を開くまでに4日も時間があり、しかも原稿だってあるはずなのに、原稿の誤読と思われるところや文章として不自然なところがいくつも。


この4日間、ワイドショー的な番組や新聞やネットで噂話レベルの情報も飛び交っているのを見聞きして、私は今の仕事の修行時代のことを思い出していた。
業種的に徒弟制度のような色が濃い世界で、そこに身を置いていた時期は理不尽なことは本当にたくさんあった。だけど私はいずれそこから脱出して個人で活動するつもりでいたのでどんなことがあっても『脱出するまでの辛抱だ』と思って乗り越えたりやり過ごしたりした。
例えば仕事中の事故で怪我などがあったとしても責任をとってもらえないな、という判断をしたので極力事故を避けられるように個人的に対策もしていた。(が、師匠からはあからさまに嫌な顔をされた。)

不可能に近いノルマのようなものもあったので、体力の続く限りは残業もしたし、業務中はほとんど休憩もしなかった。
目の前の席の先輩は『電車を待っているときに良からぬ行動をしてしまおうかと思うことがある』と私にカミングアウトした。そのくらい精神がすり減っていたのだろう。なので『万が一そういうことになってしまったとしても、せいぜい3万円か5万円を包んで差し出されるだけで、仕事とは関係ないと思います、で済まされてしまいますよ。あなたの命はそんな金額の価値ではないでしょう?』と言って思い留まらせた。

だけどあるとき、『今だ!』というタイミングがあり、置き手紙をして私は仕事場を去った。

でもそこに残って仕事をしている先輩や後輩がいたので、何か少しでも残っている人たちのためになればと思って労働基準監督所に電話をして、その仕事場の現状や給与形態、休日の日数などを報告し、公の機関からチェックはできないものかと相談してみた。
すると返答は『徒弟制度で成り立っている組織については内輪で解決してもらうしかない』というものだった。
ということで、外部の機関に頼れるものではないということがわかり、私は『さっさと去ってよかった~』と思ったのだ。

あの観光船の事故に関する報道を目にするたびに、修行時代の師匠の影が脳裏にちらついていたのだけど、やはりなんとなく通じるものがあるような・・・。

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