チェンマイよりみちの記録

タイ・チェンマイに寄り道する人生を選択した個人の記録です。私、ヨリミチ(仮名)が日本やタイからお届けします。

タイだから言うに言えない

オットが20年以上住んでいるチェンマイの家は建て売りを購入したもので、地区一帯には似たような外観の家が並んでいる。
お向かいの家は、建物はオットの家と同じ形で、その隣の区画も家を建てる前に購入したようなので、家が建っている土地とほぼ同じくらいの広さの庭がある状態。

今いるお向かいさんはオットと同時期に購入したのではなくて、最初に別の人が買った物件が転売され、それを購入したのだと思われる。

私がチェンマイに行くようになったときには既に今のお向かいさんはそこに住んでいたのだけど、ご近所とはまだ打ち解けていないような雰囲気があった。
オットが言うにはその家族が引っ越してきてから、旦那さんが奥さんに『昼間は友達がいなくて寂しいでしょ』と言って突然ヤギを1頭買い与え、その庭で飼っていたとのこと。それがメーメーメーメーうるさくて近所迷惑だと誰かが苦情を言ったらしい。その後、ヤギは姿を消して静かな日常を取り戻せたというのだけど、それじゃあヤギはどこに・・・?オットに聞いても『どこかに置いてきたんじゃないの?』と想像の域を越えない。

その家で、何年か前に庭のすみに池を作った。タイでは日本ブームに乗っかってということなのか、鯉を飼うのが一種のステイタスになっていて、富をアピールしたい人は池を作って鯉を飼う。
お向かいさんの池は道路から離れた場所にあるので、池はどのくらいの大きさで何匹くらいの鯉がいるのかわからないのだけど、モーターで水を循環させているようでそれなりにモーターの音がする。だけどそれ以上に気になるのは水の音。滝とは言わないまでも、水がちょっと高いところから池に落ちるようになっているらしい。昼間は生活音などでややまぎれるのだけど、常にドボドボというかビチャビチャというか、結構な音がしている。

↓左奥に池がある
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お向かいさんの寝室は庭と反対側なのか、それとも防音がしっかりしているのかわからないけれど、水の音は気にならないらしい。気になるのなら、滝を取り外すだろうから。
オットの家は築20年以上のタイ製、ドアや窓には経年で発生した(のかもともとなのか)隙間があるので外からの音は結構聞こえる。しかも寝室はお向かいさんに近い側。なので水がジャバジャバいう音をBGMに眠らないといけない。

その池のモーターが最近故障したとのことで、お向かいさんはモーターの交換工事をした。新しいモーターになったのだからモーター音は小さくなったのかと思ったら、オットの感覚では全然変わらないとのこと。
普通ならそこで『あら、残念だったわね』で話が終わるところなのだけど、オットはここからが本題なのだという。
モーターを交換したら、モーターの音なのか水流の関係なのか、『ピーーーーーー』という音が出続けているとのこと。昼も夜も関係なく。

私は4000キロの彼方にいるのでその音に悩まされることはないが、オットはただでさえ寝つきが悪いのに、そんな音が壁を1枚隔てた先でずっと鳴り響いているなんて本当に気の毒。

なのでオットに『お向かいさんに「その音は、いつ直るのですか?」って聞いてみたら?』と言ってみたのだけど、タイ人特有の『他人とは波風を立てずに過ごしたい』というのがあってそんなことは聞けないという。私だったら『お宅はお金持ちでモーターの修理ができたんだから、次は音の修理もしますよね?』と言うかもしれない。半分は本気で、半分は冗談で。

しかしオットがお向かいさんに聞けない理由はもうひとつあって、家主の女性のパートナーがコロコロ変わるから。私が知っているだけで5人くらい。タイ人だったり、外国人だったり。
つまり女性の職業は妾のようなもので、お金のある(と思われる)男性のパートナーとなることが仕事。なので2軒分の土地がある家に住むことができるし、車やバイクも立派なものを所有できている。
女性がそういう仕事をしているのをご近所さんは皆知っているのでなんとなく距離を取っているようにも見えるし、パートナーの男性だってどういうところからの収入を得ているのかもわからない。
違法薬物や銃は日本人が想像する以上に庶民の生活の中に潜んでいるので、お向かいさんのお宅にそういうものがないとは言えない。
なので泣き寝入りというか、触らぬ神に祟りなしというか、余計なトラブルを発生させないために、小さな問題には目を瞑るのだ。

そしてオットは『この工事は本当は仮の工事で、もうすぐ最新型の(音が静かでピーッとも言わない)モーターが取り付けられますように』と祈っている。

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