もともとオットの家にも包丁はあったのだけど、包丁というよりは果物ナイフというか、『取り急ぎそのへんで調達したものを使い続けている』ようなナイフで、調理器具として役に立っているのかいないのかわからないようなものだった。
そもそもタイ人は自宅で調理をする人は少ないし、ナイフを使う場面としてはマンゴーやパパイヤや、きゅうりを切るときとか、あとはお菓子を買って来たけど手で袋を開けられないときとか、そんな感じ?!
オットの2番目のお姉さんは家で料理をするので室内にガス台を置いてあるし、包丁も菜切り包丁のようなものを使っていて、きっとそれは使いやすいように手入れをしているのだと思う。
ともかく、オットの家にはまともな包丁がなかったので、私は日本から持ち込んだ。
↑ある日は山ほどマンゴーを剥いた。
日本でよく目にするようなお上品な切り方はしない。
ザクザク捌いて食べる分はお皿に、保管する分はタッパーなどに入れて冷蔵庫に。
チェンマイでもスーパーマーケットやホームセンターや市場で包丁を調達することはできるけれどその性能を確かめることはできないし、きっと私が求めているサイズの包丁は現地ではおもちゃのようなもので、重視されているのは視覚的なモノで、切れ味は二の次のような気もした。
なので日本で購入したものを持って行ったのだけど、あるときその包丁を使ったオットの3番目のお姉さんから『これ、どこで買ったの?』と聞かれた。お姉さんはチェンマイのどこかで売っているのなら自分もほしいというふうだったのだけど、私からの答えは『日本』だった。
それを聞いたお姉さんは『そうよね・・・』というような表情。お姉さんだって普段は日本で生活しているのだから、チェンマイに帰省するときにはそのようなお役立ちアイテムをお土産にすればいいのに。3番目のお姉さん、日本からのお土産はリサイクルショップで買った服とかバッグとか、大袋のお菓子とか、いつもそういうのばかりで。それをなぜか私にも分けてくれる。容姿端麗なお姉さんが使うなら中古品の服もヴィンテージでお洒落なものに見えるけれど、フツーの日本人の私が着るとただの古着。だから私はリサイクルショップで服は買わないし、いくら日本のリサイクル品がタイで重宝がられると言われても、自分で気分良く使えないものはお土産にしようとは思わない。
それはさておき、私がチェンマイに持っていくために買ったのはヴェルダンの包丁セットで、シャープナーもついているもの。
メーカーに拘りはなかったのだけど、刃と柄が一体型なので洗うのがラクだと思ったし、そのほうが破損の可能性も低いかな、と思ったので。異国の地で壊れてしまったら、修理に出すとしても元どおりになるかどうかはわからないし。
三徳包丁は刃の側面に果物のねばねばが付いて取れなくなってしまったのだけど、それ以外は今のところ問題はない。ねばねばはシャープナーを使えば取れるかもしれないけれど、でもそのせいでシャープナーがダメになっても困るので試していない。
チェンマイには食パンをスライスするためのスケールも持ち込んでいるのだけど、ヴェルダンのパン切り包丁はそれがなくてもそれなりの薄さに切れる。
パンのスライスガイドがなくてもパン切り包丁はとても良い仕事をしてくれるので、単品で実家用にも買おうかと思っているくらい。
でも実家には今使っている他メーカーのナイフがあるので、それの様子を見ながら、ということになるけど。