昨年までだったら、その前年の年末から福袋とか初売りの話題に心を踊らせていた。
私はあまり実店舗での買い物はせず、ほとんどが楽天市場のネットショッピングなので、年末が近くなると普段の買い物と年始の買い物(福袋とか、自分へのお年玉的物品)に、どんなものを買おうかと買い物計画を立てるのだけど。
昨年末はコロナ禍で購買欲が薄れていたし、忘新年会などもないので服を買うかどうかを悩む必要もなかった。しかもタイに渡航する予定が決まらないので、タイに行くための買い物もなかったし、化粧品だって昨年は全然減らなかったので福袋で大量買いしようとは思えず。
結局お正月だから、という理由の買い物をしなかったので、買い物事情に関しては全然年末年始感がなかった。
ところで・・・
この何年かはタイに持ち込みたい物をお正月価格で買うというのが習慣のひとつになっていて、年末年始は何かと気ぜわしかった。
しかし2年前の年越しのとき、まさに大晦日の夜、オットは突然入院してしまった。
その年末はオットはチェンマイの自宅に、私は日本の実家にいて、夜の9時頃にはLINEのメッセージでやり取りをしたのだけど、それから連絡が来なくなった。
まあ、特に用事があるわけでもなかったので何もメッセージがないというのは不思議なことではないのだけど、普段のオットならそこで『もうすぐ来年になりますね』とか『来年もよろしくお願いします』とか、日本人離れした(タイ人だから仕方ないのか?)浮かれたメッセージが届きそうなものなのに。
おかしいなぁと思いつつも、こちらからは特に何をするでもなく日本は年が明け、テレビを見ているうちに午前2時。タイの年明け。
なので新年の挨拶LINEをオットに送る。
すると、オットの2番目のお姉さんからLINEで新年の挨拶があったので、私も返信。
オットからは何もメッセージがなかったので、もう寝ているのかな、と思うことにして、お姉さんと何度かやり取りしていたら、『弟の具合が良くないのです』というお姉さんからのタイ語メッセージのポップアップが表れ、ポップアップを読み終わってから本画面を開いたら、お姉さんは本文を消していた。
それってどういうことなんだろう、オットは具合が悪くて寝込んでいるのかしら、と思ったのだけど、そのメッセージを消すということは本当はそんなに悪くないっていうこと?それとも私を心配させまいとして本文を消したのか?いや、それとも私のタイ語力ではタイ語のメッセージを送っても無駄だと思って消したのか・・・
状況がわからなかったのだけど、本当に緊急事態だというのなら、少し日本国を話せる2番目のお姉さんの旦那さまか、英語を話せる長姉の娘(オットの姪)か、日本に住んでいて日本語を話せる3番目のお姉さんから電話がくるはずだと判断した。
オットの娘は現役大学生で英語を話せるはずだけど、英語の能力面でそれほどあてにならないし。(直接会ったときには英語でコミュニケーションをはかるのだけれど、いろいろ大変なのだ。)
取り敢えず、オットからは連絡が来ないし、オットの周りの人からも特に何も報告がない(ことになっている = 私にはタイ語のメッセージは送っていないことになっている)ので、ひとまず寝ることにした。
実は翌朝、ずっと狙っていた福袋が10時に発売されることになっていた。でもそれは、チェンマイに持って行きたい物の詰め合わせのようなもの。
万が一オットの身に深刻なことが起こっていて看病の日々が続くとか、失職するかも、なんてことになれば、私の趣味の物満載の福袋なんて買っている場合ではない。
というか、福袋がどうのこうのと言うよりも、オットがどこでどうしているのかを確かめなくては。
ということで布団の中にいる気にもなれず、朝早くから目を覚ましてオットに電話をするタイミングをうかがっていた。
タイで元日の朝9時になった頃、オットにLINEで電話をしてみると、『もしもし~』という元気のなさそうな声。
でも疲れているけど弱々しさはなかった。
ひとまず安心、というところで何があったのかを聞いてみたら、前夜に初めて飲んだ薬が身体に合わなかったとのこと。アレルギー反応とかアナフィラキシーといったところだろうか。
それで危険を感じて自分で救急車を呼んで病院に運んでもらったと言っていた。
オットの話を聞く限りではしばらく静養すれば回復するようだし、意識や会話の内容もしっかりしていたのであとは時間の問題かな、と思った。
事の顛末はさておき、何時間かは本当に危なかったようだけど、もう大丈夫なようだったので長電話も悪いな、と思って電話を切った。
そして、この日の命題の福袋。
心配だったオットの体調はもう深刻なところから脱出したようだし、この先も問題なさそうだったので、すぐさま楽天市場のショップにアクセス。
数量限定の福袋だったのでちょっと心配だったけど、まだ在庫有りの表示だったのでクリックして、無事にお買い上げ。
これは人生の中でいちばんドキドキした福袋の購入だった。
ドキドキのベクトルが向いている方向がなんか違ったけど。