今から何年か前、私がまだオットと結婚する前のこと、一応結婚を視野に入れている状態だったので仲の良い友達にチェンマイに来てもらうことにした。
第一の目的は観光、そして第二のというか裏の目的は彼を友達に紹介し、気の置けない友達からの評価を得るため。
このグループは私を含めて5人で、学生時代の同級生なのだけど、若かりし頃は合宿という名の旅行をしたり、それなりの年齢になってからも事あるごとに集まって、いつでも言いたいことを言い合える関係。
いつの頃からか、旅行には旅のしおりを作るようになったので、このときもいつものように『旅のしおり - チェンマイ編』を作った。
私は先にチェンマイに滞在していて、空港で4人をお迎えし、旅に合流するという日程。
それでオット(この時点では『彼』ですが)はガイドとして参加。
なので日程の確認ということで旅のしおりを見てもらった。
オットはひらがな・カタカナなら問題なく読めるので、参加者の名前を読みあげた。
あき、くみ、さゆり、よしえ、ヨリミチ。
・・・ヨリミチ?
ヨリミチ? 誰? え?誰?
最初は私に対する冗談かと思ったら、なんか本気。
オットは普段私のことをニックネームで呼ぶ(ヨリミチをヨッちゃんと呼ぶように)ので、急に文字で本名が出てきて戸惑ったらしい。
しばらく『ヨリミチ?ヨリミチ?』と言って何秒かしてから、『あぁ、ヨッちゃん(仮名)のことか』と言って安心していた。
なぜ安心したのかというと、私が『日本から来るのは4人だよ』と言っていたのに名前が5人分だったから。オットは旅のしおりを見て、日本から5人来るのかと思ったらしい。
それにしても妻(というか、その時点では彼女)の名前を忘れるなんて・・・。
本当は怒るべきところなのかもしれないけど、オットのあまりの慌てぶりに笑ってしまった。
そんなことがあったからか、オットはときどき私のことを本名で呼ぶ。
これは・・・記憶を確かめるためか?!